| ロッキュメンタリー 第1話 |
(パシャッ・・・パシャッ)カメラの音
≪─40万人の観客を集めたという
伝説のロックフェスティバルより
さかのぼる事3年─1966年・日本。
第1回FUJIO ROCK FESTIVALが、
開催されたざんす。
そして、それからウン10年。この夏・・・≫
(ワァアアアアア・・・!!!)客席の歓声
(架ー羅!!架ー羅!!
架ー羅!!架ー羅!!)
「壱ーッ!!壱さまーッ!!」
OSO
「よーし!!いくぜー!!」
JUICY
「せーの!!」
JADE
「せーの!!」
†架羅†
「フッ」
とど
「オーッ!!」
壱
「うん。」
(OSO-!!OSO-!!)
(とど~!!とど~!!きゃー!!)
(ジューシ~!!!)
(JADE!JADE!JADE!JADE!)
(JADE!JADE!JADE!JADE!)
(JADE!JADE!JADE!JADE!)
≪ワールドツアーの間をぬって
第(ピーッ)回FUJIO ROCK FESTIVALの
ヘッドライナーをつとめるのは
このバンドざんす!≫
(ドーン・・・!ドーン・・・!)
OSO
準備は、いいかーッ!?
(ワァアアアアア・・・!!!)客席の歓声
≪これは、長年このバンドに密着してきた
ミーことイヤミによる、
奇跡の6つ子バンドの貴重な記録ざんす。≫
『ロッキュメンタリー
ヴィジュアル系6つ子バンドの軌跡を追う』
(ライブ映像)
ワオワオワーオ!!
アイ・アム・ビューティフル・・・!!
─都内・某所
(カツコツ、カツコツ)
(スタスタ、パタパタ)
(ガチャッ)
OSO
お・・・どーもー。
†架羅†
フッ。よろしくお願いします。
JADE
あ、こんにちはー。
今日はよろしくお願いしますー!
壱
どうも。
JUICY
カメラさん、暑くない?
ジュース飲む!?これ、どうぞ!
ハハッ!
とど
ミネラルウォーターの銘柄(チュッ!)
・・・ばっちり!リクエストしたヤツ!
サンキュー!ふふっ!
───
ツアーは、あと何公演残ってるざんすか?
OSO
えーと?・・・1、2、3・・・?
壱
最後の会場、2daysだから・・・
4公演じゃない?
JADE
あ、そうだよね。
あと4公演ですね。
†架羅†
うん。そうだな。
4!4公演、駆ぁけ抜ゥけるぜ~♪
イェイ!!
とど
歌わなくていいよ!
も~っ!
JUICY
ツツタッ、ツツタッ!
(トンッ、トトンッ)
───
いっつもリズムとってるざんすか?
壱
こいつ、落ち着きないの。
OSO
あ~!!やっぱりさ、ライブの後って
暴れたくなるんだよな!
発散っていうより、足りないって感じ?
JADE
だからって物を壊すのはやめてよね!
───
何を壊したざんす?
壱
壁。
†架羅†
フッ!壁に穴を開けて、
スイートルームにしてやったぜ。
JUICY
テレビって空中でも映るんだよね。
コンセントが繋がってる内は。
とど
ホント、ホント!
映ってたよね~!ヤバイわ~!
事務員
「ドラムセットが遅れる?
ほんとなのかだじょっ!?」
OSO
え~、どうしたの~っ?
事務員
(ボソボソ)
OSO
・・・え~っ!マジで!!
≪─ドラムセットの手配が間に合わない。
メンバーに緊張が走るざんす。≫
─つづく─
| ロッキュメンタリー 第2話 |
≪─ドラムセットの手配が遅れると
問題があるらしい。
一体何が問題なのか聞いてみるざんす。≫
──
ドラムセットを新調したざんすか?
JUICY
ううんー!予備だね。
予備を2つ頼んであるんだけど、
ひとつ届くのが予定より遅れてる。
───
予備のドラムセットが2つ無いと
そんなにまずいざんすか?
何か問題があるざんすか?
OSO
問題っ?そりゃ、大アリよぉッ!!
†架羅†
問題、問題だな。
JUICY
気をつければ大丈夫じゃない?
壱
お前、気をつけられるの?
JUICY
・・・無理か。ははッ!!
ボーウエ!!
JADE
あー、えーとですね。説明します。
JUICYのドラムソロが長いんです。
OSO
長すぎるんだよなぁ~!
なっ!JUICY!?
壱
長くない。
†架羅†
いや、長いだろ。
俺の出番が・・・
壱
長くないから。
JUICY
あっはっはっは、
どっちなんだよー!!
(ダダダダ、ドドドド、スパーンッ!)
JADE
ドラムセットが壊れるまでってのは
長いんじゃないかなあ?壊すの前提って。
・・・あ、それが理由なんです。
壱
壊れる手前で、
やめればいんじゃない?
いける?
JUICY
そっかー!
とど
それって長いって事じゃないの?
JADE
ドラムが完全に破壊されちゃって。
それで、ライブ後半の準備に
結構時間がかかっちゃうんですよねー。
JADE
まあ、ドラムの場合は本当の意味での
特注ではないのでいいんですけど。
(スタスタ)・・・これ!
JADE
この特注のアンプは、
替えがありませんからねー!
───
どの辺が特注なんざんすか?
JADE
ここです!ここ!!
───
ボリューム・・・?の所に
松のマークがついてるざんすね?
これはどういう意味なんざんすか?
JADE
松!つまり特上のMAXがあるんです!
すごいでしょ!MAXの更に上なんですよ!
次に僕のこのヴァイオリンですが・・・
≪このテキパキと仕切るギターのJADE。
優等生ぽい雰囲気ざんすが、
なかなかの問題児ざんす。
真面目さが裏目に出たという表現も
間違ってはいないざんすが、
ソロ活動に力を入れ始め─≫
『アイドルとの対バンライブの様子』
「みなさん!今夜はありがと~っ!」
(きゃー!!わー!わー!)
≪─バンド活動よりも優先していると、
メンバーである兄弟から不満が出る中、
不満では済まされない事件が起きたざんす。≫
OSO
ありえないっしょ!!
†架羅†
ありえない。絶対ありえない。
───
何をやっちゃったんざんすか?
壱
ダブルブッキング。ライブの。
自分のソロライブと、バンドのライブ。
とど
ないない、絶対ありえないよね!?
ってか、マネージャー何やってた?
・・・えっ?なんで止めなかったの?
───
最終的に、どちらを優先したんざんすか?
どちらか中止か延期にしたんざんすか?
JUICY
ううんー!どっちも予定通りやったよ!
OSO
な!?驚いたわー。
でも、うまくいったんだよな!
†架羅†
さすが俺達のダディ。
ソロパートもバッチリだった。
───
えっ!?お父さんを代役に立てたんざんすか?
JUICY
代役じゃないよー。
JADEになってくれたんだよ。
客席への掛け合いとかもそっくりだったよね!
───
バレなかったんざんすか?
とど
そうみたいだね~。
気になってSNSチェックしてたんだけど。
とど
JADEちょっと太ってた!って書き込みが、
大量にあっただけ!
全然バレなかったよね!あはは!
†架羅†
もう、父さんがずっとギターでも
いいかもしれない。
OSO
意外となっ!?
JADE
おいッ!!
───
この件は、後からバンドの公式サイトで
父親とのコラボ・バンドの企画と同時に
正式に説明がされたざんす。
お父さん
急な話で驚きました。
ライブのダブルブッキングなんて
聞いた事ないですから。
お父さん
なんとかしなくてはと・・・
でも、その事が私が再びステージに
立つ機会をくれたんですな。はっはっは。
≪親子グループサウンズバンド、
『松野松造と6人の息子』は、
1年の期間限定で結成されたざんす。
1枚のアルバムと2曲のシングルをリリース。
各地のフェスにも参加し絶大な支持を
獲得したざんす。
しかし、この事件を発端として、
マネージャーであるM代の
口出しが音楽性にまで及び、
一時、兄弟バンド解散の危機にまで
発展したざんす。≫
†架羅†
ノーン!!マザー!!
†架羅†
ウィー!アー!ヴィジュアルバンド!
ノット!!グループサウンズ!!
アンダースタン!?
お父さん
わしがビジュアル系になるか。
†架羅†
ダディーッ!?
≪松造の話の流れを理解しない体のボケで、
この件は解決したざんす。
父は偉大ざんすね。≫
| ロッキュメンタリー 第3話 |
─某日・ライブ会場
(ゾロゾロ)
(ゾロゾロ)
OSO
あ、おはよ~ございまーす。
───
この人達は全員ローデイーさんざんすか?
一般のバンドより多いざんすね?
JADE
おはようございます。
僕らは音楽性だけでなく、
ライブの演出にもこだわってますからねー!!
JUICY
(スタスタ、スタスタ)
大体の人が、カラ松兄さんの
専用ローディーなんだよねー。
───
大体、何割くらいがそうなんざんす?
とど
10人中、5人・・・5人ですね。
───
どうして特定のメンバーの専用ローディが
そんなに多いざんすか?
†架羅†
ギターの本数が多いのもひとつの理由だ。
ギターのデザイン、見た目も、
ライブでの演出の一部だ。
OSO
違いがわっかんねーよ!
ほとんど同じに見えるんじゃね?
†架羅†
うるさい、違うんだ。
───
曲ごとにギターを変えるとか、
そういう感じざんすかね?
JADE
いや、曲ごとどころかAメロ、Bメロ、
(スタスタ、スタスタ)
サビでもチェンジしてますよねー。
壱
うん、サビでも変えてるね。
とど
音の違いってあるの?
JUICY
全然、わかんないよね。
あんまり違わないんじゃない。
†架羅†
うるさい、違うんだ。
OSO
お前、衣裳も一人だけ変えまくるしな!
何着持ってるんだよ?
壱
うん、一人だけいつの間にか
違う衣装になってるよね。
とど
曲ごとだよね。
JADE
とまあ、こんな理由みたいですね!
───
爽やかに言うざんすね。
≪この架羅もソロ活動をしていた事が
あるざんす。
バンド外のミュージシャン達と共に
映画『原始のマツ』のサントラに参加。
他にもカーレースの世界にハマり、
チームを結成。割と本気ざんす。≫
†架羅†
音楽業界を引退したら、
カーレーサーになるつもりだ。
フッ。好きなんだ。俺のマシンを紹介しy
≪リーダーのOSOは、口が悪いざんす。
デビューアルバム発表時の記者会見で、
この1枚で解散するかとイキがったざんす。≫
OSO
あ~、あれ!?
まあ、あの時はそう思ってたんだよ。
そういう事ってあるじゃない?
≪結果、アルバムを出す度に
インタビュアーから
「1枚で解散するって言ってたけど・・・」
「まだバンドやってるのかヨーン?」
と、突っ込まれるざんす。≫
≪OSOと言えば、同時期にデビューした
バンド(ピーッ)の話題になると─≫
OSO
あいつら(ピーッ)で(ピーッ)のクセにっ!
(ピーッ)だから(ピーッ)だっつうの!
(ピーッ)(ピーッ)(ピーッ)(ピーッ)
───
メディアで流れても何を言っているのか
わからない状態になってしまうので、
向こうのバンドには全く相手にされていないざんす。
OSO
あいつら(ピーッ)(ピーッ)(ピーッ)
(ピーッ)(ピーッ)(ピーッ)(ピーッ)
(ピーッ)(ピーッ)覚えてろっ!!へっ!!
───
口が悪いざんす。≫
壱
(おえええええっ)
とど
大丈夫?
壱
うん、いつもの。
(ジャーッ・・・)
・・・大丈夫。
≪ファンの多いベーシストの壱は、
いまだにライブの度、
緊張して直前にトイレへ掛け揉むざんす。≫
───
この繊細さに女の子達は惹かれるんざんすかね。
JUICY
猫って定期的に毛玉を吐く必要が
あるんだよね。
≪それとは違うと思うざんす。≫
≪ベース担当の壱と言えば、
バンドのアルバムのジャケットなど
アートワークでも才能を発揮してるざんす。≫
『黒塗りアルバム』
OSO
あれはとても発表できなかったよね!
†架羅†
ああ!恐ろしい。
発表は出来なかった。
JADE
心の中の闇?ていうか、
そういうのを感じちゃいましたよね。
≪壱がデザインしたジャケットが、
心の闇を表現しすぎていて
とても発表できなかったと、
メンバーが口々に言うざんす。≫
JUICY
ブラックホール?
とど
闇なんて無いと見せかけて・・・
やっぱりあったんですね。
絵とか、そういう所に現れるんですね。
≪どんな恐ろしいものが
描かれていたのかは、
全体を黒塗りされた状態で発表された為、
今となっては誰も知らないままざんす。≫
壱
そうそう・・・
壱
知ってる?
うちのドラマーが何人も
連続死してるって話・・・
壱
一見、変わってないように
見えるかもしれないけど、
壱
今、何人目のJUICYか俺もわからない。
この話、内緒だよ。
───
本人のジョークが一番真っ黒ざんす。
≪可能性を秘めた6つ子の若者たち・・・≫
≪6つ子バンドの伝説は、
まだ始まったばかりざんす─。≫
≪-fin-≫
─イヤミの開いたライブハウス
とど
何ここ、お笑い道場だった所、改築したの?
OSO
で、お前が俺達でとったこの映画、
どうすんの?
イヤミ
この映画は、もう既に赤塚区の映画館で
絶賛上映中ざんす!
†架羅†
えー!?
イヤミ
これからこのライブハウスでライブがあると、
映画を見た人達がわんさか来るざんす!
大儲けざんす!
JADE
えー!?これからライブをしろって!?
壱
無理だろ。
JUICY
うん。殺されるね。
色々と誇張されてるからね。
イヤミ
なんとかするざんす。
もうすぐ大勢のファンが
押しかけてくるざんす。
───
(きゃー!!わー!!)
(・・・ドン、ドン、ドンッ)
イヤミ
終わったざんす。